釜石の文化と国際理解(「かまだんごをつくろう!」2014年11月22日/「おもしろ運動会」11月30日開催)

紅葉が終わり、風も日に日に冷たくなり、冬の訪れが感じられた11月。釜石スクラムスクールでは、釜石で古くから伝わるお菓子「かまだんご」作り体験と、楽しく運動しながら異文化に触れる「おもしろ運動会(ふぇすてぃばる)」の二つのイベントを開催しました。

かまだんごをつくろう!(11月22日開催)

写真
竹割り。きれいに割れたよ!

「かまだんご」は、釜石の農家に古くから伝わる定番のおやつです。各家庭それぞれの形や中身があるそうです。小麦粉で作られたもっちりした生地の中にトロッとした砂糖が入っているお菓子で、地区によっては「しょうじだんご」や「かまもち」と呼ばれ広く親しまれています。

イベント当日は久々のポカポカ陽気、36名の参加者が集まりました。今回は料理だけでなく、自然も堪能してもらおうと釜石で採った竹でお皿を作る内容も組み込みました。竹のお皿と言っても縦に二つに割るだけなのですが、ほとんどの参加者が初めての体験だったようです。割った後には達成感に満ちあふれた笑顔がたくさん見られ、お手伝いに来てくださった橋野の方々も思わずにっこり、それを見た私たちもほっこりとなりました。

お皿が完成したら、お待ちかねのかまだんご作り。講師は生まれも育ちも釜石市橋野町、かまだんごを作り始めて25年という重子先生に来ていただきました。小麦粉は量るものの、お湯は目分量、そして、生地の感触、伸ばし方や包み方まで先生直伝の方法をご指導いただき、皆で作っていきます。

かまだんごづくり
真剣な眼差しでだんごの大きさを確認します

だんごの中身は3種類のお砂糖と砕いたクルミ、自家製の味噌をこれもまた微妙な配分で混ぜ合わせたもの。「これは自宅で作れない・・・」と言う参加者に、「同じ味をまねするのではなく、それぞれオリジナルのかまだんごを作っていけばいい」と話されていました。ネットやレシピ本では伝えきれない温かい生地の感触、親子や友達同士で作る楽しさを感じながら、愛情を込めて作られたおやつは格別の味です。試食用に一つずつゆでてお皿に盛っておいしくいただきました。残りは持ち帰り、この日のことを思い出しながら、おいしさをかみしめたことでしょう。

家族での参加も多かったからか、家族の絆も感じられた温かな時間でした。古くから伝わる釜石の文化が、新たな世代へと少しずつ形を変えながら引き継がれていったイベントとなりました。

おもしろ運動会(11月30日開催)

伝言ゲーム
伝言ゲーム。覚えられたかな?

30日には、寒くなってきたこの時期に思いっきり身体を動かす目的で、「おもしろ運動会」を開催しました。誰でも楽しめる新しいスポーツや、多言語を使い国際理解の要素を取り入れた6種の競技を行いました。

岩手弁のラジオ体操に始まり、アイスブレイクも兼ねて鬼ごっこ、当たっても痛くないスポンジのフリスビーでドッジボール、寒かった体育館の中の空気は一気に熱気へと変わりました。そして次は世界の言葉で伝言ゲーム+クイズです。まずはチームに分かれ、単語を伝えていきます。レベル4のお題はスリランカで話されているシンハラ語の「マール デカイ」。伝えた後に、これはどんな意味でしょう?とクイズへと移ります。見慣れない文字で書かれた、分かりそうで分からない言葉ですが、皆それぞれ頭をひねり考えていました。「答えは、(1)まるい月ではなく、(2)温かいスープでもなく、(3)二匹の魚という意味でした!」と発表すると、喜びの歓声や落胆の声があがりました。世界には日本語に似た言葉でも全く違う意味になってしまう国がたくさんあり、英語ではない言葉もたくさん話されていることを学びました。

借り物競争
借り物競争。合っているかドキドキ!

一番頑張った姿が見られたのが次の障害物借り物競走でした。マットを越え、フープにフリスビーを通し、ダンボールの中に入って四つん這いで進み、借り物競走へと進んでいきます。

まずは釣りをして魚の裏に書かれたお題が外国の言葉。それも現地語で表記されています。上に小さく書かれた読み仮名を頼りにお題が何を指しているかを一覧から探します。例えば、フランス語で「スティロ」 はペンのことです。一覧から「スティロ」という文字と意味を探し当てたら、会場内にいる保護者からペンを借り、審判へ持っていくと、正解!となります。

最後に紙風船をふくらませヘルメットを被り、やっとのことでゴールという、てんこ盛りの内容です。参加者は落ち着いて集中しないと釣れない魚、思うように空気が入らない紙風船と、焦りながらも楽しんでいました。ゴールでは息があがりながらも緊張が解けてホッとした笑顔が見られました。続いての競技は、頭の上に付けた紙風船を割るスポーツチャンバラ風船割り、最後は全員リレーで運動会は終了。ちょっと変わった競技内容で、楽しく身体を動かしながら外国に触れたイベントとなりました。

釜石についてのお話を聞きながら伝統を引き継いでいくイベント、体を動かしながら世界は広いと体感できるイベント、正反対の内容のように見えます。ですが、国際化の進む現代で、外国の文化を深く理解し、より広く受け入れられることと同時に、自分の地を知り、日本人としての誇りを持っていることが求められる場も少なくありません。また、人と関わりその温もりを五感で感じること、体を動かし汗をかきながら挑戦することといった社会の中で育まれる心と体も時代に関係なく大事なことだと思うのです。外を見ることで内の魅力を再確認できる、伝統を知ることで未来へと生かす、どれも影響し合い、偏りなく良いバランスで学んでいくことが必要だと感じました。

報告:釜石スクラムスクール 岩田いづみ
(平成21年度4次隊/マラウイ/青少年活動)

ページの先頭に戻る