夏の思い出(釜石のお仕事~漁師さん編2/2013年9月1日開催)

イベント前日の夕方、勢力を保ったまま日本を縦断すると予報されていた台風が温帯低気圧に変わったものの、天気予報は「曇りのち晴れ」。前回は雨で乗船がキャンセルになり、今回もまたもや乗船はできないかと危ぶまれましたが、イベント当日は、天高く青空が広がった朝を迎えました。

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今日はお父さんを独り占め!

今回の開催場所の根浜海岸は、NHKの連続ドラマ『あまちゃん』で有名になった久慈と同じ三陸にあります。この海域は黒潮と親潮がぶつかる世界三大漁場の一つで、さらに山から流れてくる栄養分のおかげでたくさんのプランクトンが生息するため、ワカメや昆布などの海藻類や、それらを餌に成長するホタテやカキ、ホヤ等の貝類の養殖が盛んです。

今回はホタテの養殖場を見学しました。また、遠くの尾根に並ぶ風力発電の風車や、ひょっこりひょうたん島のモデルとされる蓬莱島を海側から間近で見るなど、遊覧航海も満喫しました。海水浴場が津波で流されたため海に行く機会が減り、漁船に乗るのは初めてという子が多くいました。

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生きている貝を真剣に見つめる子、その姿をカメラに収めようと真剣な父親

今回の参加者は全部で29名。うち、父親と子どもの参加が5組ありました。これまでは母親と参加する子どもが多かったのですが、今回の保護者はお父さんばかり。今までにない男気あふれた雰囲気となりました。中にはお仕事で海産物を扱っている方もおり、普段あまり交流のない父親同士の会話も盛り上がっているようでした。

スクラムスクールのイベントでは、釜石市内全域から集まる子どもたちはもちろん、保護者の方々も学区域を越えた交流ができる場ともなっているのです。子どもと一緒に夏の思い出を作りたいというお父さんの思いは皆同じです。

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「ここで丸にして下から通すんだよ」。手を取り合いながらお父さんから教わります

漁師さんのお仕事は海の上だけではなく、陸上での作業も少なくありません。船の整備はもちろん網や貝をつるすロープの手入れ、獲った海産物を販売できるようにきれいに洗ったり、下ごしらえをしたりと、収穫・出荷時期は作業に追われる毎日だそうです。

今回は実際に漁師さんが使っているロープを使ってロープワーク体験も行いました。輪にひっかけて思い切りひっぱってもほどけない「もやい結び」や棒に巻きつけて結ぶ「ねじ結び」など、用途によって様々な結び方を教わりました。大人でも1回では覚えられないほどの手順があり、何度も聞きながら体で覚えていきます。完成すると、うれしそうにそれを見せにきてくれ、近くのトラックにひっかけて遊ぶ姿もみられました。

一生懸命挑戦して喜ぶ笑顔の子どもを見て、漁師の方が、「こういう結び方がすぐできる子は漁師に向いている」と言っていました。漁師になるために必要な船舶免許を取得する際、こういったロープワークも勉強しなければならないそうです。自然を相手にする職業は、体で覚え、感を働かせ経験を積んで一人前になるといいます。「厳しいけれどやりがいも喜びもたくさんある。何年もかけて育てた貝が出荷されるときは子どもを送り出す気持ちだ。その時が一番うれしい」とも言っていました。

参加者は、食卓に並ぶホタテを今までとは違った思いで見ることでしょう。今回のイベントを通じて、将来漁師を目指す子どもが増え、三陸の漁業がこれからもずっと続いていくことを願っています。

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