No.14 十人十色な復興支援~岩泉町より~

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窓口では、「話し方が違うね?どこから来たの?」と
聞かれることも

私の配属先である岩手県の岩泉町は、人口は約1万500人程度と少ない数字ながらも面積は本州一広い町として知られています。町の面積の約92パーセントは森林で覆れていますが、東日本大震災では沿岸部に面した地域が被災しました。現在は被災した小学校、中学校、保育園が場所を移転して再建中です。また、災害公営住宅の完成や住宅再建に伴い、これまで仮設住宅で過ごされていた人々も少しずつ新たな暮らしへと移りはじめておられます。

配属先の役場では、保健福祉課社会福祉室に籍を置き、生活保護に関すること、障がい者に関すること、また、児童福祉(特に発達障害や要保護児童関係)に関することなど、福祉に関わる業務全般に携わっています。岩泉町は岩手県の全市町村のなかでも生活保護の受給率が最も多く、また、精神障がいを抱える人々の割合も多いです。地域的なものなのか、この状況は被災以前からもあったようです。しかし、生活保護に係る業務を通して、震災をきっかけに就労の場や生活の場を失った人たちが生活困窮に陥るといったケースも見受けられるので、様々な要因が重なって現状があると感じています。

福祉の分野では少子高齢化やうつ問題、人材不足や社会資源の不足など震災以前から社会全体で抱えている問題が多く、復興支援という枠組みを超えての関わりが必要なのではないかと感じています。このため、復興支援ってなんだろう…?そんな風に感じることが時々あります。この感情は隊員時代と少し似ている気がします。

震災当時、私は協力隊の任期中であったため日本に居ませんでした。あの日・あの時日本で何が起こっていたのかは、メディアからの情報や実際に被災した方々の話を通してでしか知ることができず、正直なところ、どんなに共感しようと試みても難しいのではないかと感じています。しかし、日々奮闘している配属先の仲間と共に、自分にできるかたちでサポートをしていければいいなと思っています。

岩手県下閉伊郡岩泉町配属 岩手復興局 復興支援専門員
大野みぎわ(H21-2/ケニア/ソーシャルワーカー)

※当協会広報紙Springboard 2014年11月号からの転載

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