No.13 被災地で魅力の発見と発信

写真
磯の観察会の様子

 

2013年4月より復興支援専門員として宮城県南三陸町に赴任し、もうすぐ1年半が経とうとしています。東日本大震災で甚大な被害を受けた南三陸町ですが、この1年半でガレキ撤去が終わり宅地造成や土地のかさ上げ工事が始まるなど少しずつですが確実に町が復興していく様子を見ていくことができました。しかし震災から3年半の月日はそこに住む人達にとって長い期間であり、不安や閉塞感・疲弊感を抱え込んでいるのではないかと感じてしまうこともあります。

私はいま南三陸町ネイチャーセンター準備室に配属され勤務しています。震災で前身の施設を失ってしまいましたが、2013年1月より拠点となる施設の復旧に先立ちプレハブ施設を設置し、活動が再開されました。仮の施設と場所なので今は準備室と呼ばれています。震災以前は志津川湾をフィールドに研究者が水生生物の研究や調査、小学生から高校生を対象にした環境教育や自然体験などを行っていました。しかし現在は設備不足のため水生生物の調査と小学生向けの環境教育を主な活動としています。

一般的に復興といえば土地の整備や施設の建築といったハード面に目が行きがちですが、文化や教育などのソフト面の充実無しではまちづくりとは言えません。私の業務はまさにそれに携わるもので地域の自然環境を学ぶことで、科学への関心や環境配慮の意識、故郷を誇りに思う気持ちが育まれればと考えています。地域の魅力を知り、それを誇りに思う人からは活力を感じますし、その人自体が町の魅力だと言っていいと思います。

東日本大震災により元々問題であった人口流失が顕著化しました。地元の人がいなくなってしまわないような町を目指していくことは勿論のこと、これからはどうやって交流人口と定住人口を増やしていくか、南三陸町の魅力を町外に発信していくような活動にも力を注いでいきたいと思います。
 

宮城県本吉郡南三陸町配属 宮城復興局 復興支援専門員 
黒田和真(H22-3/ガボン/養殖) 

※当協会広報紙Springboard 2014年10月号からの転載

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