No.12 被災地・福島県に身を置いて感じたこと

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放射線を正しく理解するために作られた冊子

私は福島県二本松市で、応援職員の保育士として働いています。二本松市は福島第一原発から約50キロ内陸に位置し、浪江町の人たちの仮設住宅があります。震災から3年ですが、未だに仮設で暮らしている人たちがいます。福島に来るまで、原発は遠い存在でしたが、今では原発、放射線などは身近なものになりました。

テレビや新聞では、日々県内のニュースとして、福島第一原発や除染のこと、農作物や海産物などの出荷の安全性、仮設住宅での取り組みなどが伝えられています。気象情報では、今日の天気に続いて各地の放射線量が伝えられます。また実際に空気中の放射線量を測定する機器や除染作業の様子を見かけたり、内部被ばくの測定施設があったりというのも、福島ならではだと思います。

保育所でも放射線を考慮した保育がなされています。給食は放射線量を測定し安全を確認しています。庭の表土や砂場の砂を入れ替え、外遊びは1時間以内としています。また砂遊びを心配する保護者もいるので、アンケート調査をし、保護者の許可が得られた子供のみで行っています。放射線についての知識がないから不安になったり、気にしすぎてストレスになったりするということで、放射線の研修が行われたり、保育士や保護者に向けた冊子が配布されたりしていて、正しく理解することの大切さを改めて感じました。

福島県内だけではなく、県外の人たちにも福島県の現状や放射線について、正しく知ってもらい理解してもらうことが、復興への一歩につながるのではないかと思います。私は福島に来て、今まで知らなかったことを知ったり、自然の素晴らしさや人の温かさを感じたりできて、ここに来てよかったと思っています。たくさんの人に福島の良さを感じてもらいたいので、多くの方に福島に足を運んで頂けたらいいなと思います。

 

福島県二本松市配属 福島復興局 復興支援専門員
伊藤 由美(H22-4/エジプト/養護)

※当協会広報紙Springboard 2014年9月号からの転載

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