No.10 気仙沼の魅力を伝える

写真
地域の10年後の様子を話合いながら」
制作した壁画「夢・未来・私たちの面瀬

東京から岩手へ向かう途中、仙台行きのバスの中で東日本大震災の地震を経験しました。仙台に到着後、停電している市内で雪のなか戸惑っている人たちを多く見ました。翌日、避難所にいたところに岩手から妹が迎えに来てくれ、停電でガソリンや食料品が手に入らないなか、東京へ帰る方法が見つかるまでの1週間を過ごしました。この1週間に見たこと、感じたことは、任国で自分のできることを考え行動した隊員の経験を生かす場なのではないかということでした。

その後、NGOの職員として1年間被災地で活動をする機会を得ました。気仙沼市でいくつかの事業を担当し、その一つであった“10年後の地域を考え、防災倉庫に壁画を制作する”という事業で、児童、先生、美術館の学芸員の方々と一緒に、半年近く考えを共有しながら壁画が完成したとき、気仙沼に腰を据えて生活することに決めました。

半年ほどは市内の事業者の方のお手伝いをしつつ、気仙沼を楽しみながら、たくさんの魅力を見つけました。やはり、カツオ、ホヤ、カキ、サンマと季節ごとにおいしい魚を食べられるのはとても魅力です。また気仙沼では、自分の専門である環境学の視点から、海と山(森)のつながりをとても感じます。海の豊かさをつくる森で、その上に成り立つ人々の生活全体に、人と自然の付き合い方の可能性を感じます。

2013年3月からは復興支援専門員として、気仙沼市教育委員会へ派遣され、活動を続けています。総合学習の講師として、被災した小学校などで子どもたちに気仙沼の豊かさや可能性を伝えています。アフリカや、環境学を学んだアメリカの町の様子などを見せ、外の世界にも目を向けつつ、私の見つけた気仙沼の魅力に子どもたちが気づき、愛着を持って、これからの地域を考えてくれるよう、これからも関わっていきたいと思います。また、ジオパークへの認定を契機に、それらの魅力を発信すると共に、気仙沼の人と一緒にその魅力に気づいていきたいと思います。

宮城県気仙沼市配属 宮城復興局 復興支援専門員
北林 牧(H19-2 /ケニア/環境教育

※当協会広報紙Springboard 2014年7月号からの転載

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