No.6 故郷の葛尾村を取り戻したい!

葛尾村復興まちづくりテーマ別分科会
「葛尾村復興まちづくりテーマ別分科会」を葛尾村役場三春
出張所で開催 (2014年1月20日撮影)

2011年3月14日21時5分、福島県双葉郡葛尾村に「全村避難」のサイレンが鳴り響いた。「まさか、葛尾村も避難することになってしまうとは!」。住民は戸惑いながら2、3日分程度の避難支度を整え役場からバスに乗り合い、村から60キロメートル離れた「あづま総合運動公園」(福島県福島市)に避難した。この時点では、誰もがすぐに村に帰れると思っていたが、まさか、その後も、何年間もの間、村に帰ることができなくなるなんて夢にも思っていなかった。そして、3年が過ぎた今でも住民は村に帰ることができず、避難生活を余儀なくされている。

葛尾(かつらお)村は、福島県浜通りにある人口約1,500人の山村。双葉郡の北側にあり、福島第一原子力発電所から約20~30キロメートルに位置する。原発事故の影響により、村内全域が帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3区域に指定され、全住民が村外に避難している。

現在、村では帰村に向けて、きめ細かな住民意向の把握と反映に取り組んでいる。定期的に「住民懇談会」や「地区協議会」そして「復興委員会」を開催し、住民と協働で「葛尾村再生戦略プラン」(仮称)の作成を目指している。

その中で、復興支援専門員としては、帰村意向や将来のまちづくりについての聞き取り調査を戸別に行い、全住民の意向が村の復興まちづくり事業化計画に反映されるように取り組んでいる。

しかし、長引く避難生活の中で「もう限界」と今の生活の苦しさを訴える住民や、将来の帰村を考えていない住民も増えており、村のコミュニティ再生の難しさに直面している。また一方で、除染作業の遅れが原因で帰村予定が先延ばしとなる可能性もある。

今、このような理由から、葛尾村は、帰還して村を存続させることができるかどうか厳しい状況に立たされている。

将来、葛尾村で安心して過ごし、笑顔の花を咲かせるためにも、今こそ、住民と役場職員が一体で持てる力を振り絞り、立ち上がる時が来ている。

 

福島県双葉郡葛尾村役場配属 福島復興局 復興支援専門員 多田欣礼
(平成22年度4次隊/スリランカ/青少年活動)

※当協会広報紙Springboard 2014年3月号からの転載

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