遠野市の課題に取り組む国内協力隊員~2人の「地域活動専門員」(2012年11月15日掲載)

岩手県遠野市は、「地域づくり」「健康づくり」「人づくり」を柱とし、市内各地区に設置した地区センターと市民センターが連携し、市民との協働による人づくりや地域づくりを進め、住民による地域課題の解決をサポートするために「地域活動専門員」を配置。現在活動する7人の地域活動専門員のうち、2人が当会を通じて派遣されている国内協力隊員です。岩手県沿岸部への救援の後方支援拠点となっていた遠野市に当会も拠点を置いて復旧・復興支援に当たっていた縁から要請があり、当会の国内協力隊員を配置することとなりました。 

地域活動専門員の向上さん
業務にあたる向上隊員

医療分野の専門員として2012年6月に着任した向上(むかいがみ)陽子隊員(H21-3・ウズベキスタン・看護師)は、遠野市民センターに配属されています。同市の保健分野での課題を探す中、検診受診率が低いことが分かり、健康への関心が低い若い人たちにもっと受診してもらいたいと、受診率向上に取り組んでいます。10月には乳がんと子宮頸がんの検診が行われることから、同世代の女性にアピールしたいと、自らパンフレットを作成し、検診での早期発見の重要さを伝えました。

地域活動専門員に応募する前は、当会のボランティアとして2012年5月から6月にかけて陸前高田市で活動しました。そのときに遠野市で保健分野の地域活動専門員を募集していると聞き、応募しました。「現在の仕事はとても勉強になる」、現在こうして地域に貢献した活動に携われるのは「ウズベキスタンで活動経験があったからこそ」と言います。

自然に恵まれた遠野市ですが、他の地域と同じように食生活の欧米化が進んでいるといいます。「健康でいる間は、健康のありがたみに気づかないもの。おのずと情報が入り、健康に関心のない若い人たちでも、気が付かないうちに健康づくりができてしまうような環境づくりをしていきたい」と、話しています。

聞き取り調査をする佐藤隊員
産地直売所で聞き取り調査をする佐藤隊員(奥)

一方、市南部の小友町(おともちょう)では、8月に着任した佐藤俊裕隊員(H21-4/タンザニア/環境教育)が地域活性化に取り組んでいます。世帯数420、人口約1500人のこの町は、人口減少傾向にあり、来年度は中学校が統廃合され廃校になります。

暮らしやすい地域づくりへの取り組みとして、地域の課題を洗い出そうと情報を集める中、「なかなか買い物に行けない人もおり、移動販売が必要」との声が上がり、佐藤隊員は実現に向けて調査に乗り出しました。このほか、小友町の産地直売所において、地域の特長を探すべく調査し、小友町の情報発信便りも作成しています。

佐藤隊員は協力隊時代、タンザニアの地方の町でゴミのポイ捨て防止への取り組みやゴミ箱の設置を通じて、衛生改善に携わりました。そして帰国後、当会の農業ボランティアとして、遠野市で実施中の「ふるさと新生モデル事業」の稲作に携わりました。タンザニアから遠野市へ――。気候も環境も大きく異なるかと思いきや、「タンザニアの活動地と小友町は生活環境も土地柄も似ている」と話す佐藤隊員。そして、活動もそれほど変わらず、「現在の活動は、協力隊時代からの延長。協力隊での経験を生かせる、地域での活動が気に入っています」と話しています。

途上国の経験を遠野市に還元しようと活動する2人。これからの活動が地域の人々の生活を支える力となることが期待されます。

佐藤隊員の活動報告「地域活動専門員として~遠野市小友町から」はこちらから

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