子どもたちが将来の希望を持てる環境づくりを~釜石市での学習支援事業「釜石S☆Cram School(スクラムスクール)」(2012年5月15日掲載)

JOCAが釜石市への震災支援を始めてから1年以上が過ぎ、市内はこの間、徐々に復旧が進んでいます。しかし、実際はまだまだ支援の手が必要な部分が多くあります。そのうちの一つに、子どもたちが勉強する環境が整っていないということが挙げられます。

子どもたちは学校に通えているものの、スクールバス等で登校しているため、以前よりも通学の時間が増し、帰宅しても仮設住宅は勉強に集中できる環境とは言えません。そして、勉強できる環境がない中で漠然とした不安を抱き、将来の目標や、夢を描けなくなってしまう子も少なくありません。

そこで、釜石市教育委員会は、同市にボランティアを派遣してきたJOCAと共に、教育センターの一室を子どもたちに開放し、自由に勉強できる環境を提供する学習支援事業を構想。準備を経て、「釜石S☆CramSchool(スクラムスクール)」を2012年5月7日に開校しました。いつでも好きな時に勉強できる環境があるという安心感が、子どもたちが将来の目標や、夢を見据えられるようになってくれることがこの事業の目的です。

スクールは、平日月・水・金曜日は夕方16時から、土日祝日は1日中開放しています。好きな時に、好きなだけ勉強できる場所として、そして、同じ思いを持った同世代の子どもたちが集まることで、いい仲間に出会い、切磋琢磨できる環境として子どもたちの間に定着してくれたら、と考えています。
 


生徒からの質問に答える漆原支援員(左)

そしてスクラムスクールに来てくれるからには、しっかり学力を伸ばしてほしいと、国内協力隊員が学習支援員として常駐し、分からないところをいつでも質問できる環境を整えています。

学習支援員を務めるのは、理系も英語も教えられる教育のプロ、西川知子チューター(平成5年度1次隊/ザンビア/理数科教師)、どんなに難解な理系の質問もおまかせあれの漆原達一チューター(平成21年度3次隊/南アフリカ共和国/科学)の2名。協力隊精神でスクラムスクールの核を担います。

 また、月に2回は社会学習イベントとして、子どもたちにもっと釜石市を知り、釜石市を好きになってもらえるようなイベント、協力隊経験者ならではの世界を知るイベント、体を動かして食を知る農作業体験など、机の上だけではなく、広い意味での学習ができるイベントの開催をプログラムに取り入れていることもこのスクールの特徴の一つです。これらのイベントは、子どもが大好きで、青年海外協力隊として派遣された国でも子どもたちと活動した椋野まゆみ・国内協力隊員(21/3ガーナ 青少年活動)が担当します。

初日の5月7日は6名の利用者があり、2日目には12名。まずまずのスタートを切ることができました。経験豊富で個性的な面々によるサポート体制の下、スクールは今、未来に向かって子どもたちと歩み始めました。ただ、本番はこれからです。生徒の学力が上がるように、生徒が自由に夢を語れるように、もっと有意義な空間をつくっていけるよう、さらなる取り組みが必要となることでしょう。

スクールは始まったばかり。釜石市の子どもたちのため、スタッフ一丸となって、この事業に尽力していきたいと考えています。第1回目の社会学習イベントは、5月26日、釜石でとれたソバを使った、そば打ち体験会を予定しています。 

釜石スクラムスクールのページはこちらから 

 

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