遠野に新拠点を開設 復興と地域活性化を目指す「ふるさと新生モデル事業」に弾みを(2011年10月19日)

震災発生から7か月を過ぎ、支援活動が被災地の復興に向けた息の長い取り組みへと移りつつある中、JOCAは岩手県沿岸部地域への支援拠点となっている遠野市に、新たな活動拠点となる「JOCAっぱ(じょかっぱ)ハウス遠野」を開設しました。
 

東日本大震災発生後、JOCAは遠野市に活動拠点を置き、岩手県沿岸部への支援活動を続けてきました。市役所や地域の人々から多くの支援を頂きながら、釜石市、大槌町、陸前高田市などへの沿岸部への支援を、これまでの平均1人2週間ベースの災害救援専門ボランティア派遣から、本格的な復興支援としての長期ボランティア派遣へと移行し、このボランティアを「国内協力隊員」として採用。7月に宮城県岩沼市に国内協力隊員を派遣したのに続き、9月からは岩手県にも派遣を始めました。現在、岩手県では17人の国内協力隊員と、6人の災害救援専門ボランティアが活動しています。


「JOCAっぱハウス遠野」を背に並ぶ、国内協力隊員と業務調整員 

このような帰国隊員の献身的かつ専門性のある支援活動を通じて、関係する自治体と強い信頼関係を築いてきました。特に、遠野市においては「ふるさと新生モデル事業」についての合同会議が8月4日に開催されるなど、災害支援から地域活性化までを視野に入れた活動が模索されてきました。その合同会議では、これまでJOCAが過去に実施した耕作放棄地を活用した「玄米粉プロジェクト(仮称)」のほか、国際交流協会との連携による開発教育ワークショップ、多文化共生に関するプログラムなど遠野市のニーズに沿った計画が協議され、具体化していくための基本的な合意がなされました。そして、その拠点として遠野市の斡旋により、「JOCAっぱハウス遠野」が開設されたのです。 

10月16日には、遠野市の本田敏秋市長や新田勝見市議会議長、近隣地区の人々、JOCA関係者など約100人が出席し、開所式が行われました。青年海外協力協会の金子洋三会長は挨拶の中で、多くのOBと連携して東日本大震災への支援活動を行ってきたことや、遠野市から支援を頂けたことで釜石市、大槌町や陸前高田市など沿岸部地域への支援が実現した経緯などを説明。そして、多くの方の協力を得て活動拠点の開設に至ったことについて、関係者への謝意とともに、「地域活性化活動を展開する遠野市の地域社会の一員として、地域おこしの一翼を担っていきたい」と述べました。


 金子JOCA会長


本田市長

 続いて、ご挨拶いただいた本田市長は「地域の人々が震災の後方支援活動を支え、JOCAとのつながりという縁(えにし)を絆にした拠点が『JOCAっぱハウス遠野』だと思う。単なる後方支援活動の拠点だけでなく『ふるさと新生モデル事業』の拠点として活用されることを期待するとともに、これからやってくる厳しい冬を前に、拠点の開所が被災地の人々に力強い勇気を与え、希望をもたらすきっかけになってほしい」と結びました。

また、実家を「JOCAっぱハウス遠野」としてご提供いただいた佐々木努氏は、「故郷のために貢献しているJOCAにこの家を貸すことで、自分も間接的に地域のために力になることができると思い、決心した」と話され、遠野市が掲げる「心の所得」に触れ、「災害ボランティアは被災者の『心の所得』を増やす役割を担っている。(近所の方に向けて)ボランティアを見かけたら、ぜひ励ましの言葉を送ってほしい」と、心温まるスピーチをされました。

隊員によるベトナムの春巻きや、バングラデシュのカレーなどがふるまわれた

開所式では現在活動中の国内協力隊員と調整員が紹介され、渡辺督郎調整員が代表して「これまでお世話になった遠野の皆さまに感謝を忘れることなく、心新たにしっかりと活動していきます」と力強く決意を表明しました。

続いて行われたレセプションでは、ジンバブエで料理分野の青年海外協力隊員として活動した寺田誠JOCA職員と国内協力隊員らが準備した、タイやバングラデシュ、ブラジルなど各国の料理がテーブルに並べられました。

現在、災害救援専門ボランティアとしては遠野市の仮設住宅サポート要員が1人、陸前高田市のボランティアセンターで運営と医療分野で5人、計6人のボランティアが活動しています。一方、国内協力隊員は、釜石市で医療・保健分野および教育分野の支援活動を行うほか、大槌町教育委員会では、学術調査、教員・児童へのカウンセラー、仮設図書館の運営を担う隊員が活動。それぞれ青年海外協力隊員として活動した経験を生かし、被災された人々への支援に当たっています。

「JOCAっぱハウス遠野」は、これまで市内の公民館で寝泊まりをして活動してきた災害救援専門ボランティアの宿舎となるだけでなく、地域活性化事業のためのミーティングスペースやセミナー会場として活用される予定です。

 

▽「ふるさと新生モデル事業」については、こちらもご参照ください。
「途上国でのボランティア経験を復興の力に-青年海外協力隊の帰国隊員による東日本大震災支援-」[PDF/4.2MB]

 

 

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